ワッチャプリマジを2話まで見た感想とプリマジのテーマに関する妄想

 

はじめに

 プリマジ2話まで見ました。今回はここまでの感想をまとめるとともに今後の展開を妄想していきます。

陽比野まつりに見るプリマジの特徴

 今回の主人公の陽比野まつりは中学1年生ということで前作キラッとプリチャンの桃山みらいと同学年ではありますが頭身も上がり声もやや低めになったことでよりお姉さんになった印象です。

 まつりに限ったことではありませんが今作のキャラクターデザインの特徴としてメイクアップ表現があります。プリマジではコーデチェンジ後の姿はアイシャドウやグロスの質感などがしっかりと描写されています。3DCGでも同様でこのような表現はプリティーシリーズでは異質なように思います。これは先述したようにキャラクターデザインが大人びたものになった影響もあるかと思いますがプリマジの根底にあるテーマが大いに関係しているのではないでしょうか。

自己実現のかっこよさ

 以下は妄想を多分に含みますが、ここでプリマジのテーマについて考えてみたいと思います。

 1話で強調されていた『かっこいい』というキーワード、これは一体何に対しての『かっこいい』でしょうか。これは自己実現のかっこよさに向けたものではないかと思います。1話の『かっこいい』は直接的にはまつりの憧れのプリマジスタ、ジェニファーへのものですが少なくとも現時点ではジェニファーこそ自己実現の象徴として描かれていますね。

『ハレ』と『ケ』

 次にプリマジにおける自己実現について掘り下げてみますがその前にある概念を導入しましょう。『ハレ』と『ケ』の概念です。ぼくは民俗学の専門家ではないのでここでは『ハレ』は所謂はれの日、非日常的イベントであり『ケ』は日常であるという簡単な理解で進めていきます。

 プリマジ世界における『ハレ』はプリマジスタとしてステージに上がることでしょう。つまりコーデチェンジ、ひいてはメイクアップははれの日に臨むある種の儀式なわけです。儀式というと大仰ですが今でこそ日常的に化粧をする人は多いものの古来の化粧は呪術的な側面があったわけですからあながち行き過ぎた表現でもないように思います。

 この『ハレ』と『ケ』の行き来は前々作のプリパラでも見られたものです。(プリチャンは『ケ』を丁寧に描いた印象)しかし、プリマジに特有なのは一連の変身の中でメイクアップ表現が強調されていることです。プリパラではシステムという人ならざるものの手によって物理法則を無視した変身がなされます。一方プリマジでは(タントちゃんの力こそ借りるものの)化粧という極めて現実的な手法が変身に組み込まれているのです。しかも魔法(マジ)が存在するというよりファンタジックな世界観であるのにもかかわらず。

『ハレ』の自己プロデュース

 これは人間である自分が、『ハレ』に臨む自分を変身させることができるという点を強調した表現に思われます。つまりプリマジにおける自己実現は自らの『ハレ』を自己プロデュースするということに他なりません。まつりを例に挙げれば普段ノリで生活している『ケ』の自分が『ハレ』たるプリマジのステージで『本気(マジ)』になることでかっこいい自分の発露を見せる、この『本気(マジ)』になる瞬間をビジュアル的にわかりやすくしたのがプリマジの変身表現なわけです。言い換えれば自らが『本気(マジ)』になることこそが自己実現であると言えます。

 唐突に導入した『ハレ』と『ケ』の話をずっとしてきましたが、これに関して実は主人公陽比野まつりの名前が示唆的です。苗字の陽比野は日々のと読み替える事ができますし、名前のまつりはそのまま祭事ですね。つまり『ケ』『ハレ』です。またまつりの持ち曲「マジ・ワッチャパレード」も祭で練り歩く姿を連想させます。こういったことからやはり『ハレ』と『ケ』は意識して作られているのではないかと思います。(ここまで全て妄想です)

その他雑感

 ここまでプリマジのテーマについてつらつらと妄想を書き連ねて来ましたが最後にその他感じたことを箇条書きでまとめておきます。

・魔法(マジ)によって奇跡を操れるか

 魔法が存在する世界のプリマジではワッチャを集めることで魔法を行使することが可能なようです。どうやら人間(チュッピ)には無理みたいですが。意思を持つものが超常的な力を操れる可能性を秘めているということで努力は報われる等の強いメッセージ性を持たせやすい構造ですが、それは美しく分かりやすいのと同時に枷にもなり得る要素です。(プリパラでは半ば人間が起こしたような奇跡もあるが人間が力を行使したわけではない)今後どのように展開するのか、魔法(マジ)の立ち位置はどのようなものになるのか楽しみです。

・まつりとみゃむの関係性

 みゃむが魔法に失敗しティーカップを割ってしまった際の殊勝な態度が気になりました。「迷惑かけたらごめんなさい」が効いているのかはたまた別の何かがあるのか……。また、2話のライブ前みゃむの「誰とでも駆け上がれる」とライブ後まつりの「みゃむちゃんとならどこまでも飛んでいけそう」の微妙なすれ違いもおそらく今後の伏線でしょう。魔法(マジ)が使えるかどうかやそもそもの種族の違いなど2人の関係性には注目していきたいところです。

・甘瓜みるきについて

 語尾がだお~の所謂腹黒ピンク。みるきのキャラ設定に限らずプリマジは王道というかベタな設定が多い印象ですが更に裏があるのか背景が最も知りたいキャラクターです。